旅人ロボット
かごに乗る
かご上の十字ラインをラインセンサで検知しながら適切な位置を判断し、乗り込む。その後、空気圧を利用して20度で滑ることのできる面(通称20度面)により、マシン本体を持ち上げる。
かごから降りる
かごの外側に飛び出した測距センサによって地面との距離を計測し、かごが下ろされたと認識したら、かごから降りる。
太鼓前に向かう
かごから降りたら直進して、ラインセンサにより林にある白線を検知する。その後、検知した直線に沿って走行し、関所3の横線を検知する。関所3に入ったことを検知したら、滑らかな曲線を描き、太鼓前の白線に垂直方向から入射する。この間に上中段の太鼓を叩くためのアームを伸ばして準備をしておく。
太鼓を叩く
太鼓前に到達したら、90度旋回して太鼓方向を向き、太鼓前の壁を検知するまで直進する。この際、太鼓前の白線を検知し、その白線に沿うように自分の位置を補正する。太鼓前の壁にあたり次第バチを展開し、3つの太鼓を素早く叩く。
機構紹介
上ばち
上段、中段の太鼓を叩くための機構です。
ラック・ピニオン機構で機構全体が斜め上に動きます。
二つ折りになっているバチの先端が開放されることで、そこからさらに伸びて太鼓を叩く仕組みです。
この機構での干渉その他のトラブルを考慮し、下段の太鼓を叩く機構は別に作りました。
下ばち
下段の太鼓を叩くための機構です。
09年度はばねの使用が認められたので、ばね力を用いた簡単な機構にできました。
トリガーは、空気圧シリンダです。
20度滑り面
かごの上に乗っている旅人が20度の傾きで落ちなければならないというルールを満たすためのものです。
タイヤはグリップ力が高く、上記ルールを満たすことができないので、かごに乗ると20度で滑る面を出す機構を作りました。
制御で角度を読んで走行することで落ちるようにするなどの方法もありましたが、一瞬20度になっただけで落ちるのは嫌だったので、
摩擦で滑る方式を選びました。ちょうど、かごが20度になった付近で微妙に滑る素材が見つかったため、かごの傾きにとても強くなったと思います。
一方、試験走行中はかごの表面が削れて滑らかになるなどの変化があり、本番状況の再現に非常に苦労する原因ともなりました。
また、加速度と傾きを区別できないことも、不利な側面だったなど、もうすこし考えどころのある機能でした。
吸着機構
太鼓の下での相手の旅人との衝突にもちこたえるために、路面に対する吸着機能をつけました。
制作時にも予期していたことですが、試合で太鼓を叩いた旅人マシンは遠距離から叩くものが多かったので、
結局活躍の場の無い機構となりました。
新ラインセンサ
はたご・かごは通常のロンリウム+白カッティングシートという構成になっていないため、従来RoboTechで使っていたラインセンサではラインが読めないことが判明し、新規開発したものです。
当初は開発に成功するか不安もありましたが、案外すんなり完成しました。
測距センサ
赤外線によって、障害物との距離を測るセンサです。
これによって旅人の路面からの高さを測り、かごがおろされたかどうかの検知をしました。
これが床ではなくかごを検知して旅人が走り出すというトラブルも多かったので、かごの上げ下げは手動マシンが伝える方が良かったのかもしれません。